
世の中にはいろいろな MS がありますが、時には新たに発見され、そして時には使えない手段となっていきます。
今では使えなくなった手段でもそこから学ぶべき点はあるかと思いますので、今回は2025年8月にサービスの終了する X World Wallet を使った MS について解説します。
【Manufactured Spending とは】

Manufactured Spending (MS)とは実際の消費を必要とせずにクレジットカードによる支出を生み出すプロセスです。
多くの場合、無料もしくは小額の手数料で支出を意図的に作り、それを現金として回収し購入の代金に充てることでプロセスを回します。
これにより実際にお金が出ていくこと無く、サインアップボーナスのためのミニマムスペンド(支出条件)やカード利用によるポイントなどの特典を獲得出来ます。

Credit Card Churning と Manufactured Spending の世界
Credit Card Churning と Manufactured Spending の世界の一端をご紹介します。
【X World Wallet とは】

X World Wallet は多通貨対応のデジタルマネー口座で、簡単にチャージできる Visa デビットカードを提供するフィンテックのサービスです。
対応通貨は、米ドル、メキシコペソ、カナダドル、ポンド、ユーロ、で簡単にウォレット内で通貨取引が出来、ATM で現金を引き出したり、買い物に使えるというものでした。
私が知ったのはかなり後でしたが、サービスは2022年頃からスタートしていたようです。
【あまりにも簡単な手法】

驚くべきことに、この X World Wallet へのチャージはクレジットカードで行うことが出来ました。(ただし Amex カードは非対応)
しかも私がこのアプリを知った時の手数料はわずか1.5%という何かの間違いでは無いかと言う低さです。
そしてチャージした資金は他の銀行に出金することが出来ました。当然のことながら銀行に出金すれば、そのお金でクレジットカードの支払いをすることが出来ます。
こうしてあまりにも簡単な MS のサイクルが完成します。
クレジットカードを使ったチャージでもポイントやキャッシュバックは獲得可能でしたし、ミニマムスペンドにももちろんカウントされていました。
1.5%の手数料というのは簡単に踏み倒しが可能です。
例えば2%のキャッシュバッククレジットカードを使って$1,000 チャージすると、手数料で$15かかりますが、キャッシュバックで$20.3獲得出来てしまいます。
つまりチャージすればするほどお金が増えます。
他にもミニマムスペンドに活用するのはもちろんのこと、IHG Premier の年間$40,000利用のダイヤステータスを狙ったり、Hyatt カードで宿泊実績や無料宿泊特典を狙うことも可能でした。
【そして終焉へ】

当然このようなサービスが長続きするはずもなく、手数料の値上げや月額料金のなども追加されましたが、2025年8月にサービスが終了することになりました。
【学び】

時々フィンテックのサービスは Manufactured Spending の餌になることがあります。
今回紹介した X World Wallet は特別な知識は必要なく、このサービスを知っていてほんの少しのアイディアさえあれば MS が可能でした。
新興のフィンテックのサービスに目を光らせておくと、新たな MS の手法を発見することが出来るかもしれません。
以上、お読みいただきありがとうございました。皆さまのクレジットカードの作成の一助になれば幸いです。
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