Xがついに金融サービス「X Money」を本格的にスタートしました。
最大6% APYに加えて、デビットカード利用で3%キャッシュバックと、スペックだけ見るとなかなか強烈です。
今回はX Moneyのメリット・デメリット、実際に使う価値があるのかまで詳しくレビューしていきます。
【評価・年会費・特典】
| X Money | ||
|---|---|---|
| おすすめ度 | ★★★☆☆ | |
| カードブランド | Cross River Bank / Visa / Debit / Personal | |
| 年会費 | $0 ※X PremiumまたはPremium+への加入が必要 執筆時点:最低$8/月または$84/年 |
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| キャッシュバック率 | 3% | 対象となるX Cardでの決済 |
| 0% | 税金、家賃、Money Orderなどの対象外取引 | |
| サインアップボーナス | $25 ※一部では$15しか付与されなかったとの報告あり |
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| ボーナス条件 | X Moneyへの登録 | |
| 預金金利 | 最大6.00% APY(執筆時点) Premium:通常4.00% APY、条件達成で6.00% APY Premium+:6.00% APY |
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| その他の主な特典 |
最大$10MのFDIC保険 世界中のATM手数料無料(手数料は後日払い戻し) X Money間の送金無料 |
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| 外国為替手数料 | なし | |
| 利用対象 | 米国在住者向け ※New York州居住者は一部機能・APYに制限あり |
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| 申込リンク | なし(該当者はx.comのサイドバーのMoneyより申し込み可能) | |
X Moneyは、Xが提供する銀行口座機能とVisaデビットカードを組み合わせた金融サービスです。
最大6% APYの高金利に加え、X Cardでの対象決済では3%キャッシュバックを獲得できます。
特にデビットカードで3%還元というのはかなり珍しく、クレジットカードでは手数料がかかる支払い先でも活躍する可能性があります。
一方で、利用にはX Premium以上への加入が必要で、家賃や税金など一部取引はキャッシュバック対象外となっています。
【X Moneyの6% APY】
X Moneyの目玉のひとつが、最大6.00% APYというかなり高い金利です。
X Premium+ユーザーは6.00% APY、X Premiumユーザーは通常4.00% APYですが、直近34日間に合計$1,000以上のQualifying Depositを受け取ることで6.00% APYにアップします。
Qualifying Depositには、給与などのDirect Deposit(ACHのSEC CodeがPPDのもの)や、XのCreator Revenue Sharingなどの報酬が含まれます。
Premiumの年会費は$84なので、もともとX Premiumを利用している人であれば、給与の一部をX Moneyに振り分けるだけで6% APYを狙えるのはかなり魅力的です。
ただ、個人的にはこの6% APYが長期間そのまま続くとはあまり思っていません。
現在の米国の金利環境を考えても6%はかなり高い水準ですし、公式にもAPYは変動金利であり、いつでも変更される可能性があると明記されています。
実際、X Moneyのベータ段階ではDirect Deposit不要で6% APYという条件でしたが、正式サービスではPremiumユーザーにDirect Deposit条件が追加されています。
そのため、「今後もずっと6%だからX Moneyに資金を移す」というよりは、6%が続いている間は利用するくらいの感覚がよさそうです。
条件が悪化したら他のHigh Yield Savings Accountなどに資金を移せばいいだけなので、現時点の6% APY自体は十分利用価値があると思います。
【フィンテックにお金を預けるリスク】
X Moneyでは、預金はCross River BankをはじめとするFDIC加盟銀行に保管され、Cash Sweep Programを利用することで最大$10MまでFDIC保険の対象になるとしています。
ただし、ここで注意したいのはX Moneyを運営するX Payments LLC自体は銀行ではないという点です。
一般的な銀行口座では銀行と直接取引しますが、こうしたフィンテックでは利用者と銀行の間に別の事業者が入ります。そのため、銀行自体が破綻していなくても、フィンテック側のシステム障害や経営破綻、記録管理の問題などによって、一時的に資金へアクセスできなくなる可能性があります。
実際に2024年には、複数のフィンテックと銀行の仲介をしていたSynapse Financial Technologiesが破綻し、10万人を超える利用者が長期間資金にアクセスできなくなる問題が発生しました。
利用者の資金はFDIC加盟銀行に預けられていたものの、Synapseと提携銀行の記録を照合することが難しくなり、「誰のお金がどこにいくらあるのか」を確定できないことが大きな問題となりました。
Synapse破綻について詳しく知りたい方は、以下の記事が分かりやすくまとまっています。
→ TechCrunch:Synapse破綻で約$160Mが凍結された経緯
また、FDIC自身もSynapseの事例を取り上げ、フィンテックを経由した預金について注意喚起しています。
→ FDIC:Synapse破綻とフィンテック預金に関する解説
FDIC保険は基本的にFDIC加盟銀行が破綻した場合の預金を保護する制度です。フィンテック企業そのものが破綻した場合に、その企業の破綻をFDICが補償してくれるわけではありません。
もちろん、これだけでX Moneyが危険という意味ではありません。ただ個人的には、6% APYが魅力的だからといって生活資金や資産の大部分をX Moneyだけに置くつもりはありません。
高金利を活用しつつも、普段使う銀行口座とは分けて、万が一しばらく資金を動かせなくなっても困らない範囲で利用するのが無難だと思います。
【X Cardの3%キャッシュバック】
X Moneyでもうひとつ注目したいのが、X Cardでの対象決済に対して3%キャッシュバックが付くことです。
クレジットカードなら2%前後の還元は珍しくありませんが、デビットカードで3%還元というのはかなり強力です。
特に、クレジットカード払いだと手数料がかかる一方、デビットカードなら無料または低い手数料で支払えるサービスでは、X Cardの3%還元がかなり活きてきます。
ただし、すべての決済が3%対象というわけではありません。X Moneyでは一部のMerchant Category Code(MCC)をキャッシュバック対象外にしています。
| 主な対象外カテゴリー | 代表的なMCC |
|---|---|
| 家賃・不動産関連 | 6513 |
| 税金 | 9311 |
| Money Order・Wire Transfer | 4829 / 6051 |
| 金融機関・資金移動 | 6010 / 6011 / 6012 |
| Funding Transaction | 6532 / 6540 |
| 証券会社 | 6211 |
| 政府関連の一部支払い | 9222 / 9399 / 9402 / 9406 |
つまり、家賃や税金、Money Order、証券口座への入金など、3%還元を利用して簡単に大量決済できそうなカテゴリーはあらかじめ塞がれています。
(悪いことを考えている皆さん、だいぶ締め付けは厳しそうです)
一方で、スーパー、レストラン、保険料、Utilities、携帯電話代などの一般的な支払いは、現在の除外リストには含まれていません。
特に個人的に面白いと思っているのが保険料やUtilitiesなどの大口支払いです。これらはクレジットカード払いだと手数料が発生しても、デビットカードなら無料または固定手数料で支払えるケースがあります。
そのような支払い先で3%キャッシュバックが付けば、一般的な3%還元クレジットカードよりも実質的にお得になる可能性があります。
ただし、X Moneyのキャッシュバック規約や対象MCCは今後変更される可能性があります。実際に利用する際は、決済前に最新のCashback Rewards Termsを確認することをおすすめします。

ちょっとマニアックな加盟店カテゴリコード(MCC)とクレジットカードの話
加盟店カテゴリコードについてのお話です。
【X Moneyのデメリット・注意点】
X Moneyは6% APYと3%キャッシュバックが魅力ですが、使う前にいくつか注意しておきたい点があります。
まず、X Moneyを利用するにはX PremiumまたはPremium+への加入が必要です。最低でも年間$84のコストがかかるため、X Premiumをもともと使っていない人にとっては実質的な年会費と考えていいでしょう。
また、6% APYは変動金利であり、将来的に引き下げられる可能性があります。現在はかなり魅力的な水準ですが、長期間この金利が維持されることを前提に使うのはおすすめしません。
3%キャッシュバックについても、家賃、税金、Money Order、金融取引など一部のカテゴリーは対象外です。さらに、対象MCCやキャッシュバック条件は今後変更される可能性があります。
ニューヨーク州在住者はAPY対象外
ニューヨーク州在住者は条件が少し特殊で、X MoneyのAPYや利息、Interest Boostの対象外となっています。
その代わり、ニューヨーク州在住者限定で、口座開設から90日以内に合計$3,000のQualifying Depositを受け取ると$300ボーナスを獲得できるキャンペーンが用意されています。
Qualifying Depositの定義は6% APYの条件とほぼ同じで、給与などのDirect DepositやX Creatorの報酬などが対象です。
$3,000の入金で$300なので、条件だけを見るとかなり強いボーナスですが、APYの代わりとなる一時的なキャンペーンであり、内容は今後変更される可能性があります。
加えて、X Moneyは比較的新しいサービスです。銀行口座としての基本機能は揃っていますが、長年運営されている大手銀行と比べると、サポート体制やトラブル時の対応についてはまだ実績が少ない点も気になります。
高金利と高還元だけを見るとかなり魅力的ですが、現時点ではメインバンクとして使うより、サブ口座として様子を見ながら使うくらいがちょうどいいと思います。
【X Moneyはおすすめ?】
X Moneyは、6% APYとデビットカード3%キャッシュバックという2つの強い特典を持った、かなり面白い金融サービスです。
特に、すでにX Premiumを利用している人であれば追加コストをほとんど意識せず使えるため、6% APYの条件を満たせるなら試してみる価値は十分あると思います。
また、保険料やUtilitiesなど、クレジットカードでは手数料がかかる一方でデビットカードなら安く支払える決済先では、3%キャッシュバックを活かせる可能性があります。
一方で、6% APYが今後も長期間続く保証はなく、3%キャッシュバックにも対象外MCCがあります。さらに、サービス自体がまだ新しく、フィンテック経由で資金を預けることによるリスクも無視できません。
メインバンクとして全面的に乗り換えるほどではありませんが、高金利と高還元をうまく利用するサブ口座としてはかなり魅力があります。今後、金利やキャッシュバック条件がどの程度維持されるのかを見ながら使っていくのがよさそうです。
【X Moneyの申し込み方法】
X Moneyは一般的な銀行口座のような専用の申し込みリンクから申し込むのではなく、X内の「Money」タブから利用を開始します。
利用にはX PremiumまたはPremium+への加入が必要で、X Premiumは月額$8または年額$84、Premium+は月額$40または年額$395です。
X Moneyが利用可能になると、Xのサイドメニューに「Money」タブが表示され、そこから本人確認や口座開設の手続きを進めます。口座開設には18歳以上、米国居住、米国の電話番号認証などの条件があります。
ただし、Premiumに加入すれば必ずすぐにX Moneyを利用できるわけではありません。X公式でも、現在は米国のPremium / Premium+ユーザーへ順次提供しており、利用可能になったユーザーには通知するとしています。
実は私自身もX Moneyを使うためにX Premiumへ加入しましたが、この記事を書いている時点ではまだX Moneyを利用できていません。私のアカウントには「Money」タブ自体が表示されていない状態です。
Doctor of Creditでも「Premium / Premium+ユーザー全員に利用可能」と案内された一方で、実際には申し込みできないユーザーがいることが報告されています。
そのため、X Moneyだけを目的にPremiumへ加入する場合は、すぐに利用できない可能性があることを理解した上で申し込んだ方がいいでしょう。私のように、Premium代だけ先に払ってX Moneyの開放を待つことになる可能性があります。
【対抗カード】
Robinhood Gold Card
こちらはフィンテック企業である Robinhood の提供する全カテゴリ3%キャッシュバッククレジットカードです。
ただし実質的な年会費が$50かかります。
Robinhood 証券口座の申し込みはこちらのリンクからしてもらえると嬉しいです。

Robinhood Gold Card 評価レビュー
Robinhood証券の有料会員向けに発行されているRobinhood Gold Cardの評価レビューです。
Citi Double Cash Card
年会費無料でどこでも2%のキャッシュバックのシンプルカードです。
さらに Citi の上位クラスのカードを持っている場合には提携パートナーへのポイント転送も出来るので、リワードの使い道の豊富さも非常に優れています。

Citi Double Cash Card 評価レビュー - いつでもどこでも2倍還元
いつでも2倍の還元率!初心者におすすめで使いやすいCiti Double Cash Cardについて解説しています。
【まとめ】

X Moneyは、最大6% APYとデビットカード3%キャッシュバックという、かなりインパクトのある特典を持った新しい金融サービスです。
特に、すでにX Premiumを利用している人や、給与Direct Depositの一部を振り分けられる人にとっては、6% APYを狙える点は大きな魅力です。また、保険料やUtilitiesなど、デビットカード払いの方が有利な支払い先で3%還元を活かせる可能性もあります。
一方で、6% APYが長期間続く保証はなく、3%キャッシュバックにも対象外MCCがあります。さらに、フィンテック経由で資金を預けるリスクや、サービス開始直後で条件変更が起こりやすい点にも注意が必要です。
私自身、X Moneyを使うためにX Premiumへ加入しましたが、この記事を書いている時点ではまだ利用できていません。
そのため、現時点では大きな資金を移してメイン口座として使うよりも、6% APYと3%還元を狙うためのサブ口座として使うのがちょうどいいと思います。
今後も6% APYと3%還元が維持されるのであればかなり面白いサービスですが、条件変更も含めてしばらく様子を見ながら使っていきたいところです。
以上、お読みいただきありがとうございました。皆さまのクレジットカードの作成の一助になれば幸いです。
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